アヤワスカ


001 lalila 「初めての意識変容体験」

私にとって、初めての意識変容薬物との出会いはアヤワスカ。
ここで、あえてドラッグと書かなかったのはアヤワスカは一般のドラッグと同列に扱うべきものではないと思っているから。アワヤスカはアマゾンに自生する複数の植物を煎じた薬草カクテルみたいなもので、南米のシャーマンが宗教的な儀式で使用するある種の神聖な飲料です。地域により色々なバリエーションが有るようですが、とにかく強力な幻覚作用を持っています。
この中で私が飲んだのはブラジルのサントダイミ教団が作っている通称ダイミ茶。ある時知人の紹介でこのサントダイミ教団の集まり(ワーク)に参加する機会があり、そこでダイミ茶と出会ってしまった訳。この時点で私はいわゆるドラッグについて全く興味も無かったし、もちろん何の経験も有りません。
この時の参加者は男女各々20名程度、それにボランティアスタッフの様な教団関係者が約10名程度、合計50名近い人数。
一般参加者は事前の指示どおり全員上下白色の服装、スタッフは男女とも上は白いシャツ、下は濃紺のパンツやロングスカートを着用。広間の中央に簡単な祭壇?みたいなものがあり、それを境にして、男女が向かい合う様な形で床に座る。一番内側がスタッフで、その周囲を囲むように一般参加者という順番。このままの姿勢で、スタッフのリードで参加者全員でサントダイミ教団の讃美歌を歌います。ひたすら歌います。もちろん日本語じゃなくてポルトガル語!。私には歌詞はチンプンカンプンなので、皆にあわせて「あああ〜ううう〜ららら〜」とメロディ口ずさむだけ。
しばらくするとスタッフのリーダー?みたいな人からダイミ茶が配られました。話しには聞いていましたが、これは「メチャマズイ!」史上最低の味(苦笑)。皆が飲んでいる間はスタッフのギター演奏がBGM?として会場に流れている。この時以外は、とにかくワークの間中約4時間!歌いっぱなしです。
飲んでしばらくすると徐々に周囲に変化が起こり始める。何かにとりつかれたように体を動かす人もいれば、横になる人、泣き出す人、バケツの中に吐く人、平然と歌ってる人、とにかくさまざま。私はこの時自覚出来る意識の変容はなかなか来なくて、「来る」までは結構辛かった。座りつづけるのも体が辛いし、基本的にはトイレ以外には立ってはいけない事になっているし、ひたすらモジモジ。
飲んでから1時間半が過ぎたとき、突然来た。
ふと自分の手を見ると粘土細工の様に見えてしまう。じっと見てると粘土の指がグニャと伸びたりする。周囲を見るとエンボス加工した写真に後から色付けした絵画の様な不思議な世界になっている。周囲の人も動いているんだけど粘土の造物の様にも見える。目を閉じると極彩色のモザイクの様なサイケデリックな世界、後から後から色が溢れ出て来る。皆の歌声が模様になって見えている事に気がつき、「音だって目に見えるんじゃないか! なんで今までこんな事に気がつかなかったんだろう!」とか「音と目に見えている世界の区別っていったいなんなんだろう?」とかLALILA独特の奇妙な思考の世界に突入(苦笑)
目を開けて再び周囲を見渡すとトイレに行こうとしている人が目に入る。しばらくしてもう一度その人を見ると、またトイレに行こうとしている。というか時間が少し前に戻ってさっき見た光景をplaybackで見ている自分に気がつき、頭の中は「????」腕時計を見てみる。また見てみる。しばらくしてまた見てみる。何度も見てみる。殆ど時間が進んでいない! 1・2秒の間に何度も時計を見られる筈は無いのに、時間の世界が狂ってる!「時間とは・・・いったい・・・」再びLALILA独特の思考の世界へ(苦笑)
この辺でダイミ茶の2杯目が配布される。嫌だったら飲まなくてもいいみたいけど、不思議な世界への好奇心に勝てずに飲んでみる。座っているのが辛くなり横になってみると、身体が勝手に動きだす。自分の意志とは関係なく奇妙な単純運動を繰り返してしまう。止めようと思えば止められるけど、そうしている方が身体が楽なので、そのままかなり長時間?バタバタしてた。そうこうしながらも、「今まで生きてきた世界と別の次元の世界があったんだ」とか「これは精神病患者が見ている世界に近いのかもしれないなぁ」とか、「このままこの世界から戻ってこれなくなってしまうかもしれない」とか両親とか仕事の事を考えだして、ちょっとBADな世界へ突入(苦笑)
で、配布された3杯目も飲んじゃう(これは飲まなかった人も多かったみたい)
この後も自分の不思議な粘土の手を見たり、手元にあったミネラルウォーターのボトルで遊んだり(水が宝石の様にきれいだった!)で、不思議な世界を堪能。
疲れてちょっと横になったら、光が見え全身がとてつもないまばゆい光につつまれる、とても暖かく心地好い。神の存在を感じ、まさに至福の時。極楽極楽(笑)
しばらく極楽を堪能した後、周囲を見てみると一人だけ後光が差したように輝いて見える女性がいる。こっちを見て微笑んでいる。実はlalilaの彼女なんだが、「神は彼女だ!」そう思った(爆笑)後でこの事を話したら、「私も自分が神様だと思った」との事 恐るべし!
最後に、スタッフがお祈りをする。この時「聖母マリア」という言葉が出てきたので、はじめてカトリック系の宗教だと気がつく。そーいえば十字架もある。
この後覚醒する為?、全員がきちんと整列させられ、簡単なステップを踏むだけの踊りを2〜30分。そして終了。みんながお互い感激で抱き合う。

そんな感じでした。

アヤワスカ : 3杯(全部で60cc程度)
作用時間 : 4時間程度
LALILA度 : 3.7

うまく説明出来なかったけど、私にとっては素晴らしい経験でした。参加者の平均年齢は結構高くて、40才以上かも?高齢者もいました。みんな真面目そうな、普通の人ばかり、一見教員風の人とかそんな感じかな?教会の日曜礼拝の参加者から子供を除いた雰囲気ってトコ。2人だけ、ヤバそうな雰囲気の奴がいたかも。lalilaとその彼女(笑)

サントダイミ教団はブラジルは勿論、欧州各国で正式に宗教法人として活動しているらしい。ダイミ茶の使用も法的に認められているらしい。アマゾンの奥地に信者だけの村が有り、学校はもちろん各種施設もあり自給自足の集団生活をしているとの事。日本でも正式に宗教法人としての資格をとりたいって話しもあるらしいけど、どうなるんだろう?


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